なぜ日本企業の情報システムは遅れているのか

なぜ日本企業の情報システムは遅れてい

ゴールデンウィークBOOKOFFのセールがあったので、川越クレアモールにあるBOOKOFFによったところ、105円均一のコーナーに「なぜ日本企業の情報システムは遅れているのか―レガシーマイグレーションのすすめ」という書籍を発見。以前読んだ気はするんだけど、値段的にもまぁいいやということで購入。
10年前の書籍で既に絶版になっているにもかかわらず、いまの日本の情報システムとほとんど状況は変わっていないようで、情報産業はこの10年何をしていたんだと思わずにいられない内容。確かに外部の環境はさすがに違っていて、クラウドやソーシャルサービスなど10年前になかったものが、当たり前のように利用されている。しかし、レガシーなシステムがどう変わったのかというと疑問符が湧いてくる。その証拠に「ソフトウェア開発データ白書2012-2013」では、いまだに使用言語の上位にCOBOLがきていて、TIOBE Softwareが発表したTIOBE Programming Community Index for May 2013とはかけ離れている。日本の社会はイノベーションを起こしにくい構造になっていると聞くが、いちばん革新的であるべき情報システムが、社内でもっとも保守的だったりするのは、まわりを見回しても容易に想像できる。
著者の玉生弘昌氏に、この書籍を執筆してから10年を経てどうなったのか聞いてみたいところ。後半部分でXMLに否定的な記述があったりして、実は国内EDIに固執して、ワールドワイドな標準に乗り遅れているなんてことはないのかな。まぁ自分自身の課題として、既存の努力が無になるかもしれないからと現状に甘えるのではなく、その努力を次にどう活かすのか考えたいけど、実際のところどうだろう。実は自分の気づかないところで、かなり変わりにくい体質になっているのかもしれない。
折しも、第二次安倍晋三内閣から「世界最先端IT国家創造」宣言(案)が発表されて、これに対するパブリックコメントを募集している。情報処理の技術が進み世界最先端になっても、その利用がナンセンスなものだと全然無駄というかマイナスになってやらなければよかったとなってしまう。そうならない仕組みやお膳立ても必要なんだけど、そういうことって無視されるか後手になるのが常で、そこを何とかできると前に進むのかな。とりあえずパブコメを考えようっと。