IPAフォント3.01リリース

OSI認定のIPAフォントライセンスで配布される最初のIPAフォントとして、IPAフォント3.01がリリースされた。これで使用の自由だけでなく、改変もできる利用が自由なフォントとなった。このライセンスは、利用の自由を保障するとともに、様々な派生フォントができたときにオリジナルを保つための工夫がなされており、よく考えられたライセンスで、これから自由なフォントのライセンスを考えるときに、ベースにできるものだと思う。
ここまでは、これまでのIPAフォントの歴史に一区切りがついてめでたいことなのだが、リリースしたフォントの中身にはいくつか不満が残る。まずは、いままで5書体あったIPAフォントから、UIゴシックが抜けて、明朝とゴシックのそれぞれ均等とプロポーショナルの4書体になったこと。確かにUIゴシックというのは、デザイン的には美しくないが、コンピュータの画面という限られた範囲で、日本語の情報を多く詰めこむには有効なフォントだ。最近流行のUMPCのような小さな画面ならば、その効果は尚更である。それなのになくなってしまった。Windows Vistaの標準フォントであるメイリオフォントは、UIゴシックはないではないかという意見もあるが、どっこいWindowsスタンダードやクラシックといった画面デザインを選択すれば、デフォルトでUIゴシックが表示される。つまりはユーザの選択が残されている。一方、IPAフォントでは、最初から抜かれてしまっては選択できない。これでは、Microsoftよりも後退している印象を強く受ける。せめてユーザが選択できる状態にしてほしい。IPAフォントのアンケートでもそれを書いたけど、伝わるかなぁ。
それと、ビットマップフォントが抜かれたこと。これも非力なPCにはちょっと辛い状況である。確かにビットマップフォントは、その大きさにはまるポイントならば、コンピュータ上でも美しく表示されるが、それ以外のポイントでは補完されて汚く表示される。そのため見にくいといった意見もあるのは事実だ。それはコンピュータリテラシーの低いユーザの意見であって、それはTrueTypeフォントにすればと誘導することで解決できることではないのかと。その努力をしないで、非力なPCを見捨てるようなことは、なんだかなぁと思う。
まぁ、Slackware/Slaxのパッケージには、UIゴシックを含めたものにすればいいかと奇策を思いついたので、それでよしとしよう。